概要
ここではリナックス(Linux)を利用する上で知っておいた方が良い基本的な事項についてWindowsとMacと比較しながら解説しています。
解説内容は「生い立ち」,「特徴」,「利用分野」,「共存」,「知識」に分けています。
「生い立ち」はリナックスができた経緯と他のOSとの発達関係
「特徴」はリナックスが持つ他にはない特別な特性
「利用分野」は実際に利用されている分野別の利用方法
「共存」はWindowsとMacおよびリナックスと一緒に利用する方法
「知識」は単独またはWindowsとMacと同時に利用する上で知っておいた方が良い事項このサイトはリナックスを理解して「ある程度の知識」を段階的に習得できるように「利用準備→設定と使い方→活用レシピ」の3つのフェーズを順番に少しずつなれるように構成していますが初めにこの概要を理解する事でスムーズに進められるようになっています。
「ある程度の知識」が身につけば超小型コンピュータであるラズベリーパイと無料で使用できるクラウドサービスおよびAndroidモバイルを活用することでさらに広範囲な独自なサービスを格安で実現できます。
生立ち
UNIXは1960年頃からベル研究所で開発が始まり1980年には産業分野でも利用される様になったが、高価で閉じた商用OSであったためパーソナルで自由なOSではなかった。
一方、マイクロソフトは1981年にMS-DOS、1990年にWindows3.0と発展させてPC/ATがパーソナルコンピュータとして多く利用されるようになった。
1991年にフィンランドの学生がPC/ATのパーソナルコンピュータでUNIXが動かせないかと考えたが高価であったためLinuxとしてGPLのもとで多くの技術者の協力で開発され続けて
現在に至っている。(GPLは「無料で自由に使っていいけど開示してね」という事)
Linuxはだれでも自由に無料で使える事は現在も変わっておらず、2010年頃よりサーバー、ディスクトップだけではなくルーターや家電の組み込みにも多く利用されている。
GoogleのAndroidはLinuxをベースに開発されており、UNIXをベースとしているMacOSは非常に近い存在となっている。
近年では安くてプログラミング環境構築が容易であるLInuxが子供のコンピュータ教育にも利用されており、Windows10でもLinuxがサブシステムとして利用できる様になっている
特徴
ほとんどのOSとアプリが無料で使用でき、有料でのサポートも可能
10年以上前のPCやサーバーで最新のソフトを動かせる
1000円程度のシングルボードコンピュータ(SBC)から数億のサーバーでも利用できる
UNIXをベースとしているのでウィルスに強く24時間運転等の安定稼働ができる
ソースコードが開示されているのでプログラムの変更ができソフトウェアの開発が容易
ハードディスク、USBメモリ、SDカード等様々な媒体で起動できるため応用範囲が広い
利用分野
共存 デュアルブート
LinuxをWindowsまたはApplePCに単独でインストールできる
Windowsは内蔵HDDしか起動できないがLinuxとMacOSはSDカード,USBメモリ,USBHDDからも起動できる
WindowsとLinuxは同一内蔵HDDに同居することでデュアルブードが可能
MacOSとLinuxも同一内蔵HDDに同居することでデュアルブードが可能
WindowsPCとApplePC両方で利用できるLinuxを作成することも可能。
MacOSにBootcampがあるがここでは対象外としている
VM(仮想化)は除く
共存 仮想化
VM(仮想化)の無料ソフトはVMwareとVirtualBOXが有名でVMwareはホスト(母体)がWindowsまたはLinuxの場合、VirtualBOXはホスト(母体)はWindows,Linux,MacOSで可能だが、Linuxのディストリビュータによっては問題が発生する可能性あり
上記以外に有料ソフトを使用する事で他の組み合わせも可能
VMを利用する場合は高いハードウェア性能が必要な上、通常インストールに比べレスポンスが悪くドライバの問題が発生する可能性があることを留意すること
このサイト内に仮想化(VirtualBox)の設定と使い方もあります
共存 ファイルシステム
上記は標準インストール時のアクセス条件ですが、専用ソフトを別途インストールすることにより読み書きを可能にすることも可能
標準ではOS間のアクセスおけるデータ破壊が発生する可能性は低いが避けたほうが懸命
知識 利用可能コンピュータ
2006年以前のWindows,Appleや2011年以前のタブレットもインストールが可能な物も存在するがインストール時に特殊な方法が必要でインストール後にドライバの問題で不具合が発生しやすい上、性能が出ないので対象としていない
3年以内の最新機種はドライバ等が揃っていない可能性が高いので対象としない方が懸命
知識 ディストリビューション
各種のディストリビューションの情報は以下のサイトに詳しく記載されているが導入数別のランキングではなくアクセスランキングであることに注意。
情報はアクセスランキング、最新リリース、アーキテクチャー、ディスクトップ環境、評価、リリース情報、インストールパッケージ、ディストリビューションのリンク先等全て必要な情報が記載されている。(英語ですがchromeで翻訳すれば簡単)
知識 インストール方法
知識 考慮すべき事項
知識 パーティションタイプ
MBRはディスク(記憶媒体)の先頭512で全てを制御、GPRは専用パーティションをプライマリとパックアップの2個の情報を持つため障害に強い
知識 標準的なパーティション構成例
GPT形式のEFIシステムパーティションはOSに関係なくFAT32
OS領域とは別に/boot,/home,/var等の別パーティションが必要な場合は手動で設定する
LinuxのSWAPパーティションの要否はディストリビューションによって異なる
パーティションテーブル情報が壊れるとOSに関係なくアクセスできなくなり起動できなくなる
回復用のツールを提供しているOSはツールに従い、なければ以下の方法でバックアップを取得
MBRはディスク等の媒体の先頭512バイトをDDコマンド等でバックアップ
GPTはEFIシステムパーティションをDDコマンド等でバックアップ
知識 標準的なディスク、パーティション等の識別ID
0-nはzeroから始まる数値、1-nは1から始まる数値、a-zはaから始まるアルファベット
USBHDD,USBメモリはHDD,SSDと同様
上記はファイルマネージャー等のGUIでは意識しなくても良いがディスク、パーティション管理及びCUIのコマンドやスクリプトで必要となる。
知識 よく利用されるアプリケーション
知識 リモート操作(GUI)
VNCは遠隔地又はモニターのないコンピュータを操作することも、複数ユーザーが同時に作業することもできる非常に便利な機能
サーバーライセンスを購入しない条件下での同時接続ユーザー数については以下の通り
Linuxは無制限
MacOSは5ユーザー
windows10は1ユーザーのみで複数はできない(レジストリをいじれば2ユーザー)
VNCによっては利用中ユーザー画面を多くのユーザー間で共有し必要に応じて交代で操作可能 、この機能は教育現場やリモート会議では有効である(MacOSでは複数ユーザーログインと単一ユーザー画面共有ともに可能)
知識 ターミナルの操作
上記はCUIによるコマンド操作でパーティション情報と最上位のディレクトリとファイル情報
GUIでもほとんどの操作と設定ができるが、CUIを使えば迅速で細かい設定が可能
サーバーとして利用するにはCUIでの操作が一般的で慣れれば利用範囲が広がる
知識 SSHリモート操作
SSH接続でのCUIリモート操作は安全で非常に便利だが、全てコマンド操作となる
SSHリモート操作の通信は暗号化されるため慣れると様々なコンピータで使える
SSHのトンネル(tunnel)を使えばインターネットから安全に他のLANに接続できる