レスキュー

OSが起動しなくなった時にデータを取り出す

  • 適用できるWindowsPCはCPUがIntel(ARMでない)の32ビット,64ビット,MBR,UEFIまたは CPUがIntel(PowerPC,ARMでない)のMacPCであり暗号化されたPCとハード故障は対象外とする

  • WindowsPCデータレスキュー

  • MacPCレスキュー

  • レスキューデータの回復

USBメモリの作成と起動

  • Raspberry pi Desktop ISOのZIPをダウンロード 

  • Etcherのダウンロードとインストール

  • Etcherを使ってISOファイルを元にライブUSBを作成

  • 作成したライブUSBでPCを起動して一番上の「Run with Persistence」を選択

イギリス(本家)よりRaspberry pi Desktop ISOのZIPをダウンロード  

以下のサイトにアクセスする

https://www.raspberrypi.org/software/raspberry-pi-desktop/

Download をクリックするとダウンロードが開始される
海外のサイトなので1〜2時間程度かかる

Etcherのダウンロードとインストール

  • 以下のサイトにアクセスする
    https://www.balena.io/etcher/
    Linux,Windows,Mac版があるので自分のPCに合わせたものを選択してダウンロードする、Windowsはinstallerを選択する

  • ダウンロードしたEtcherをPCにインストールする

Etcherを使ってISOファイルを元にライブUSBを作成

(USBは16Gバイト以上の3.0を使用して下さい)

  • 利用したいUSBメモリ,ポータブルUSBハードディスク, ポータブルUSBSSDのいずれかをPCにセットする

  • インストールしたEtcherを起動する

  • select imageをクリックしてダウンロードしたISOを選択する

  • セットしたUSBを選択する、表示されない時はselect driveをクリックする

  • FlashをクリックしてUSB作成する

作成したUSBをPCにセットしてPCを起動(通常は再起動のみ)

  • WindowsPCの場合はをPC起動後すぐにBIOSを起動させてUSBから起動を選択する

  • MacPCの場合は起動後すぐにoption(alt)キーを押し続けるとハードディスクとUSB(オレンジ)のマークが出てくるのでUSBを選択する

  • どちらも起動されれば左の画面が表示される

  • 表示された後は10秒で一番上が自動起動されるので止めるか2番目以降を選択する場合は10秒以内にキーボードの上下ボタンの下を押すことで可能になる

表示された内容の説明

Run with persistence 独自設定を維持して起動

Run and reset persistence 独自設定をクリアして起動

Run without persistence 独自設定を無視して初期状態で起動

Graphical install グラフィカルインストール(今回は使わない)

Install テキストインストール(今回は使わない)

Install with speech synthesis 音声合成によるインストール(今回は使わない)

persistence(独自設定)管理の仕組み

  • 他のディスストリビューションでもインストール無しで起動できるが、起動後の設定などを維持しない点が異なる。

  • Debianでもpersisteneceも可能だがPCのタイプ毎にISOをダウンロードする必要がある

Run with persistence を選択

USB作成後に行った基本設定,アップデート,パッケージインストールなどの独自設定を維持した状態で起動する

USBメモリの独自設定の保存

  • 起動後のWelcome画面より基本設定

  • 再起動後に日本語化の不足パッケージのインストール

  • synapticを利用したGUIで必要パッケージのインストール

USB起動後の初期画面

  • ログインはpiユーザーで自動ログイン

  • Nextボタンをクリックして基本設定を開始

国の設定

画面のように設定してNextボタンをクリック

piパスワードの変更

インストール時点ではユーザー:pi パスワード:raspberry になっているのでお好みのパスワードを設定する(忘れない様に)

ネットワーク設定

  • 有線LANの場合はスキップ、無線LAN環境があるので使いたい時は表示されたSIDを選択して無線LANを有効にする

  • 無線LANのSIDが何も表示されない時はLinuxのドライバがPCに対応していないので有線LANを使用するか、対応できる無線LANアダプターを利用する

Linuxのパッケージアップデート

ターミナルより手動でアップデートも可能だがここでアップデートしておいた方が無難

基本設定の完了

再起動ボタンをクリックする

基本設定反映後の画面

表示はほとんど日本語化されているが日本語入力はまだできない

手動でパッケージアップデートの詳細

  • ネットワーク接続は必須

  • ターミナルに sudo apt upgrade を入力してエンター

  • アップデートするパッケージが表示される


手動でパッケージアップデート

  • アップデートをするかの確認が表示される

  • ターミナルに y を入力してエンター

パッケージアップデート中


パッケージアップデートの完了

ターミナルの上にポップアップが表示されたら完了

Synaptic(GUI)を使ってパッケードのインストール

  • ターミナルに sudo apt install synaptic を入力してエンター

  • メニュー---設定からSynapticを起動する

  • chromium-l10nを検索してインストール指定

  • libreoffice-help-jaを検索してインストール指定

  • libreoffice-l10n-jaを検索してインストール指定

  • fcitx-mozcを検索してインストール指定

  • 適用ボタンをクリックする

パッケージインストールの完了

日本語入力設定を有効にするため再起動する

日本語入力の確認

  • メニュー---設定のFcitxの設定でキーボード系の設定が可能

  • メニュー---設定のMozcの設定で日本語変換の設定が可能

  • 日本語の入力は半角/全角キーかcntl+spaceで日本語の切り替えが可能で右上のボタン群の一番左がキーボードマークとオレンジ色の「あ」のいずれかが表示される、「あ」の時は日本語が入力できる
    また、変換はローマ字とひらがな選択がMozcの設定で可能である


不要パッケージの削除

パッケージアップデートで不要になった古いパッケージを削除する

  • ターミナルに sudo apt autoremove を入力してエンター

  • 削除できるパッケージが表示されるので、ターミナルに y を入力してエンター

  • 古いパッケージの削除は1ヶ月に1度程度で十分、1年程度行わなくても問題ないがディスク容量の無駄になるので適時実行することを薦める


Synaptic(GUI)を使って追加パッケードのインストール

  • メニュー---設定からSynapticを起動する

  • gpartedを検索してインストール指定

  • gnome-disk-utilityを検索してインストール指定

  • 適用ボタンをクリックする

これでデータレスキュー用のUSBは完成です

目的は必要データの外部出力ですが以下の点に注意

  • ディレクトリ,ファイル単位のレスキューの場合はFAT32でフォーマットした出力用を使用する

  • パーティション単位のレスキューと回復はLinuxで行うのでext4でフォーマットして使用する

OS別ファイルシステム

  • Windows,Mac,Linuxで共通に読み書きできのはFAT32だけです

  • LinuxはWindowsのNTFS読み込み可能

  • LinuxはMacのHFS+読み込み可能

以下はWindowsのレスキュー例です

レスキューUSBの起動

  • WindowsPCにセットしてレスキューUSBを起動する

  • レスキューしたいデータを格納するUSBをセットする

  • メニューよりアクセサリーのディスクを起動する

  • 内臓HDD,レスキューUSB,データ出力用USBを確認する

データ出力USBの初期化

  • メニューのシステムツールからGpartedを起動する

  • データ出力用を選択する

  • USBをMBRでフォーマットする

  • USB全体をFAT32でフォーマットする

  • FAT32以外はWindowsとLinux両方で扱えない
    但し、4Gバイト/ファイルは扱えないのでexFATを検討する

個別ファイルのコピー

  • メニューのアクセサリーよりファイルマネージャーを起動する

  • レスキューしたいデータがあるパーティションを選択してインストール時に設定したrootバスワードを入力してマウントする

  • レスキューしたいディレクトリまたはファイルを選択してデータ出力用にコピーする

パーティションレスキューツールの起動

  • ターミナルよりsudo gnome-disksを起動する
    (root権限なので十分に注意する事)

パーティションのレスキュー

  • パーティション出力用はGpartedでext4でフォーマットする

  • レスキューしたいパーティションを選択してパーティションイメージ作成を選択する

  • ファイルは.imgで作成されるのでパーティション出力用を指定する
    (パーティション出力用はレスキューしたいパーティション以上のサイズが必要)

以下はMacのレスキュー例です

  • MacはUSBなどの外部媒体からOSを起動できるので障害対策用にUSBなどにMacOSを別に準備しておけばこの様な面倒なことは必要ありません

レスキューUSBの起動

  • MacPCにセットしてレスキューUSBを起動する

  • レスキューしたいデータを格納するUSBをセットする

  • メニューよりアクセサリーのディスクを起動する

  • 内臓HDD,レスキューUSB,データ出力用USBを確認する

データ出力USBの初期化

  • メニューのシステムツールからGpartedを起動する

  • データ出力用を選択するUSBをMBRでフォーマットする

  • USB全体をFAT32でフォーマットする

  • FAT32以外はMacとLinux両方で扱えない
    但し、4Gバイト/ファイルは扱えないのでexFATを検討する

個別ファイルのコピー

  • メニューのアクセサリーよりファイルマネージャーを起動する

  • レスキューしたいデータがあるパーティションを選択してインストール時に設定したrootバスワードを入力してマウントする

  • レスキューしたいディレクトリまたはファイルを選択してデータ出力用にコピーする

パーティションのレスキュー

  • パーティション出力用はGpartedでext4でフォーマットする

  • ターミナルよりsudo gnome-disksを起動する
    (root権限なので十分に注意する事)

  • レスキューしたパーティションを選択してパーティションイメージ作成を選択する

  • ファイルは.imgで作成されるのでパーティション出力用を指定する
    (パーティション出力用はレスキューしたいパーティション以上のサイズが必要)

レスキューデータの回復

  • 個別ディレクトリまたはファイルのリストアは起動できなくなったOSを再インストール後に該当OSのファイルマネージャーで元に戻す

  • パーティションのリストアは起動できなくなったOSを再インストール後にデータレスキューUSBのディスク(gnome-disks)で元に戻す

  • このUSBは様々なタイプ(32ビット,64ビット,MBR,UEFI)のPCで利用できるが通常のLinuxでもタイプが合えば全く同じことができる

  • 最悪の場合はデータを破壊するので知識と経験が不足している方は専門家にお願いした方が安全です

  • このUSBはジャンクなどのOSがない中古PCの状態確認に利用できますので中古PCを探している方は便利です

  • この方法でインストールしたイメージファイルは以下からダウンロードすることもできます
    OSダウンロード のPCで利用できるリナックスOS内にあるRaspberry Pi Desktop(データレスキュー用) です