Web会議Openmeetings

  • 分散した拠点にいるメンバーとネットワークでセキュリティの高いWeb会議を行う

  • 主催者は画面共有を利用して各メンバーが同一画面またはホワイトボード参照及び操作しながら会議を進行する

  • 非常に高機能でセキュリティが高いので専用の管理要員を必要とし別途運用マニュアルなども必要となる

材料

ハードウェア

  • Linux,Mac,WindowsPC

ソフトウェア

  • Ubuntu MATE Desktop

  • Eitcher

  • Openmeetings5.1

  • ブラウザ

コツ・ポイント

  1. バーチャル会議用のPCは4G以上のメモリでDebianまたはUbuntuのディスクトップを利用する(Arch,Centos,openSUSE,Fedoraでも利用可能)

  2. 現段階ではWindows,Macは利用できない。WebRTCでない4.0では可能

  3. 動画をサービスするサーバーであるためサーバー側のネットワーク接続は有線LANを使用すること、クライアントは問わない

  4. PCの場合はサーバー性能によるが同時接続は最大20程度

  5. OSのインストールは完了している前提としてるためインストールは記載していない

  6. ソフトウェアのインストールは全てCUIのコマンドラインで行い、その後の環境設定はWeb画面とCUIで行う

  7. Linuxでもディストリビューションによって異なりますので詳しい説明は以下のサイトですが英語版のみです
    https://cwiki.apache.org/confluence/display/OPENMEETINGS/Tutorials+for+installing+OpenMeetings+and+Tools

  8. ユーザーマニュアルと管理者マニュアルは上記のサイトにありますが英語版のみです

  9. ここでは記載していないがVirtualBOXにインポートできるOVAファイルとOpenmeetings ISO(Ubuntu MATE 18.04)ファイルもダウンロードできる

  10. 最も安定するOSはUbuntu MATE 18.04である

  11. 手順はローカルLAN(イントラネット)で稼働を前提としていますのでインターネット上に公開する場合はドメインやCA認証などが必要になります

  12. 自宅のPCを利用して在宅勤務者同士でバーチャル的に会議を行うこともできますが以下の環境が必要です
    自宅側ではルーターのNAT設定とSSHサーバー構築,クライアント側ではSSHトンネルでの接続が必要となります


作り方(調理時間120分)

Debian10 MATE Deskop

Ubuntu MATE 20.04 Desktop

Debian10 MATEのインストール手順

1).OSは既にインストールが完了しておりSSHサーバーも完了している時点から以下を開始する。SSH接続して全てのアップデートを完了する

sudo apt update

sudo apt upgrade


2.OpenJava 11のインストール

sudo apt install openjdk-11-jdk openjdk-11-jdk-headless nano

バージョン確認

java -version


3. Libreofficeのインストール(通常はOSと一緒にインストールされる)

sudo apt install libreoffice


4. 関連パッケージのインストール

sudo apt install -y imagemagick libjpeg62 zlib1g-dev


5.Soxのインストール

sudo apt install sox


6. FFmpegとVLCのインストール

sudo apt install ffmpeg vlc


7. MariaDBのインストール

sudo apt install mariadb-server

MariaDBの実行

sudo /etc/init.d/mysql start

MariaDBのrootパスワードの設定(mysqlADMIN)

sudo mysqladmin -u root password mysqlADMIN

OpenMeetings用のデータベース作成

sudo mysql -u root -p

rootパスワード入力後に以下のデータベースコマンドを入力

MariaDB [(none)]> CREATE DATABASE open510 DEFAULT CHARACTER SET 'utf8';

データベースのユーザーとパスワードの設定

MariaDB [(none)]> GRANT ALL PRIVILEGES ON open510.* TO 'admin'@'localhost'

IDENTIFIED BY 'opmt@AD01' WITH GRANT OPTION;

* open510 ......データベース名

* admin .........ユーザー名. * opmt@AD01 ..ユーザーパスワード

上記は環境に合わせて変更してください、但し忘れないように

データペースコマンドの終了

MariaDB [(none)]> quit


8.OpenMeetings を/opt/open510にインストール

cd /opt

tomcat-OpenMeetingsのダウンロード

sudo wget https://downloads.apache.org/openmeetings/5.1.0/bin/apache-openmeetings-5.1.0.tar.gz

ダウンロードファイルの解凍

sudo tar xzvf apache-openmeetings-5.1.0.tar.gz

ファイルのをフォルダに移動

sudo mv apache-openmeetings-5.1.0 open510

録画と会議室用フォルダの作成

sudo mkdir -p /opt/open510/webapps/openmeetings/data/streams/{1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14}

sudo mkdir -p /opt/open510/webapps/openmeetings/data/streams/hibernate

フォルダにアクセス権の設定

sudo chmod -R 750 /opt/open510/webapps/openmeetings/data/streams

OpenMeetingsフォルダを全員に解放

sudo chown -R nobody:nogroup /opt/open510

OpenMeetingsとMariaDBのコネクターのダウンロードとコピー

cd /opt

sudo wget https://repo1.maven.org/maven2/mysql/mysql-connector-java/8.0.22/mysql-connector-java-8.0.22.jar

sudo cp /opt/mysql-connector-java-8.0.22.jar /opt/open510/webapps/openmeetings/WEB-INF/lib


9. tomcatの実行スクリプトのダウンロードと設定

cd /opt

sudo wget https://cwiki.apache.org/confluence/download/attachments/27838216/tomcat3

スクリプトのコピー

sudo cp tomcat3 /etc/init.d/

アクセス権限設定

sudo chmod +x /etc/init.d/tomcat3

自動起動の設定

sudo sysv-rc-conf

なければ"sudo apt install sysv-rc-conf"でインストールする

tomcat3を探して2,3,4,5にXを設定する


10. Dockerのダウンロードとインストール

sudo nano /etc/apt/sources.list.d/docker.list

以下をDockerのリポジトリの追加

deb [arch=amd64] https://download.docker.com/linux/debian buster stable

sudo wget https://download.docker.com/linux/debian/gpg -O- | sudo apt-key add

リポジトリのアップデート

sudo apt update

Dockerのインストール

sudo apt install -y docker-ce docker-ce-cli containerd.io

Dockerサービスの起動を確認

sudo service docker status

起動していないときは以下で起動させる

sudo service docker start

Dockerのテスト “hello world”:

sudo docker run hello-world

以下の様に出ればOK

"Hello from Docker!

This message shows that your installation appears to be working correctly." ................................................. ...............................................

通常ユーザーを追加してdockerグループ設定

sudo adduser debian docker
("debian" OSに作成した実際のユーザー)

ドッカーへのユーザー追加後に必ず再ログインする事


11. Kurento-Media-Serverのインストール

dockerサービスの起動

sudo systemctl start docker.service

kurento-media-serverのコンテナ登録

docker run -d --name kms -p 8888:8888 --mount type=bind,source=/opt/open510/webapps/openmeetings/data,target=/opt/open510/webapps/openmeetings/data kurento/kurento-media-server

登録コンテナの自動起動

docker update --restart=always kms


12.Run Tomcat-OpenMeetings

MariaDBの起動

sudo /etc/init.d/mysql start

tomcatの起動

sudo /etc/init.d/tomcat3 start


13.ホワイトボードへPDFのインポートを有効化

sudo apt install ghostscript

openmeetingsの設定

1.ブラウザのURLに以下を入力

https://localhost:5443/openmeetings

CUIの場合はlocalhostでなくサーバーのIPアドレス

以下からは実際はWeb画面での設定

2.データベースの構成

データベースタイプ MySQL

ホスト名      localhost

ポート番号     3306

データベース名   open510

ユーザー名     admin

パスワード     opmt@AD01


3.データベースへのログインデータ

ユーザー名 admin

パスワード opmt@AD01

メールアドレス xxxx@gmail.com

タイムゾーン asia/tokyo

グループ名 openmeetings


4.構成

自己登録 on

新規登録ユーザーへのメール送信 off

新規登録ユーザーへのメールによる確認 off

データベースオブジェクト(会議室,OAuth2サーバーなど)自動生成 on

メールアドレス(リファー) xxxx@gmail.com

STMPサーバー stop.gmail.com

STMPサーバーポート 587

STMPユーザー名 xxxx@gmail.com

STMPパスワード PASS

STMPのTLS認証 on

使用言語 日本語


5.文書の環境設定

文書変換DPI 150

変換時のJPEG品質 90

ImageMagickのパス /usr/bin

FFMPEGのパス /usr/bin

SoXのパス /usr/bin

Openofficeのパス /usr/lib/libreoffice


6.暗号設定

暗号クラス org.apache.openmeetings.util.crypt.SCryptImplementation

SIPを有効化 off

SIPルームプリフィックス 400

SIP exten コンテキスト rooms


7.インストール開始

Finishボタンでインストール

Web画面での設定終了


8.ファイアウォールとポートの開放

パッケージのインストール

sudo apt install ufw gufw


以下のポートを開放する

sudo ufw allow ポート またはgufwでGUIから設定

ssh 22

vnc 5900

openmeetings 5443,8888

sudo ufw enable

次の方法でファイアウォールのステータスを確認します。

sudo ufw status verbose


9.サービスの起動確認

dockerコンテナの自動起動とtomcat3の自動起動が漏れていることがあるので最初の再起動後に確認すること

通常サービス全体は以下のコマンド

systemctl list-unit-files --type=service

tomcat3 tomcat3.service generate

mysql mysql.service enable

mysqld.service enable

docker docker.service enable


tomcat3の個別確認は以下のコマンド

sudo systemctl status tomcat3

dockerコンテナの起動確認は以下のコマンドでコンテナが存在しておりexitedになっていないこと

sudo docker ps -a

exitedの場合は以下のコマンドで自動起動設定

docker update --restart=always kms


システムへログイン

  • ブラウザのURLに以下を入力
    https://ipアドレス:5443

初期画面(ダッシュボード)


会議の画面

  • 初期画面でいずれかの会議室をクリックすると入室できる
    (カメラは停止させている)

ホワイトボード機能

  • 右端の機能を選択しながらホワイトボードを利用する

ディスクトップ共有1

  • 画面右上の画面マークでディスシトップ共有がが可能となる

  • 共有の大きさと特性を指定する

ディスクトップ共有2

  • 共有する範囲の指定

ディスクトップ共有3

chromkタブのみを共有

会議資料の選択と表示

  • 左端より使用したいファイルを洗濯して表示する

  • ここではLibre Officeやテキストファイルなどでマイクロソフトオフィスは出来ない

  • マイクロソフトオフィスを画面に表示したいときはOSがWindows10のPCからディスクトップ共有を行う

ユーザー管理1

  • パスワードのセキュリティ要求が非常に高い

ユーザー管理2

  • 組織とはグループの意味で参加者を制限できる

  • 権限は種類(マニュアル参照)

システムへのユーザー接続状況


グループ(組織)設定


会議室管理1


会議室管理2


会議室管理3


会議室管理4


環境変数の設定


ユーザープロファイルの表示


ダッシュボードに表示する情報


ログアウト


  • Jitsi-meetに比べるとOpenmeetingsは企業で利用することを前提に開発されているので高機能でセキュリティも高い

  • 高機能であるためネットワークやハードウェアのスペックも高いものが必要となる

  • Jitsi-meetはカジュアル、Openmeetingsはフォーマル的な使い方が適切で特性に応じた使い分けが必要です