内線電話
LANネットワークを有する特定拠点でPCとスマートフォンを使用した完全無料の音声またはビデオ電話を内線機能で実現する
インターネットへの接続は必要なく交換機の能力次第で5〜20人程度の同時接続が可能
内線番号は利用者が自由に設定し通常利用しているPCまたはスマートフォンをそのまま利用する
材料
ハードウェア
Linux,Mac,WindowsPC
Raspberry pi 4
8Gバイト以上のSDカード
5V 3A のACアダプタ
USB-Cケーブル
AndroidまたはiOSのスマートフォン
ソフトウェア
Raspberry pi OS(Debian Buster)
Eitcher
RasPBX
ブラウザ
各種SIPクライアントアプリ
コツ・ポイント
Raspberry pi(ラズベリーパイ)はpi3または3B+で十分でpi4は高速で低価格だが熱対策が必要
RasPBXはRapberry pi OS Lite(Debian Buster)にパッケージとして追加しているので、アップデートはOSを完了してパッケージの順で行うこと
ダウンロードしたRasPBXは日本語対応していないため簡単にできる raspi-config を利用して日本語化とキーボード設定などを行うこと
OSのアップデートはCLIのLinuxコマンド、RasPBXパッケージはWebの管理画面から行うこと
ネットワークはOSで管理しているためIPアドレスの固定はルーターかOSの設定で行うこと
RasPBXの管理画面ではシステムの停止はできないのでログインしてスーパーユーザーで「poweroff」を入力してenterで行うこと
raspbx-10-10-2020はベータ版なので不具合があるので使用しないこと
RasPBXのWeb設定は変更後に右上の設定反映(Apply config)を必ず行うこと
RasPBXはLAN内に有線接続(無線も可能だが遅くなる)とし、端末(SIPクライアントは)有線,無線どちらでもよい
作り方(調理時間100分)
RasPBXのダウンロード1
以下のサイトにアクセス
http://www.raspberry-asterisk.org/downloads/赤い線のraspbx-10-10-2020はベータ版なので使用しない
RasPBXのダウンロード2
ページをスクロールしてraspbx-11-11-2019を確認
現在はHTTPの raspbx-11-11-2019.zipをダウンロードする
ダウンロードしたraspbx-11-11-2019.zipを解凍する
ファイル(.img)をSDカードに生成
Etcherを使って解凍済みの.imgファイルをSDカードに書き込む
SDカードをラズベリーパイ4にセットして有線LANケーブルを接続する
(回線の速度と安定のために有線ケーブルを使用する)ssh接続出ない場合はHDMI.マウス.キーボードを接続する
電源を入れる
CLIでraspbxへログイン(サンプルはSSH)
キーボードを接続している場合は以下でログイン
ユーザー root パスワード raspberry他のPCからraspbxのIPアドレスを調べてSSHログイン
(初回のみパスワード設定が必要)
ssh root@IPアドレス
パスワード raspberry
raspi-configを起動する
raspbxへログイン後にraspi-configを実行する
マウスは使えないのでtabキーで<ok>まで移動してenter
ローカルの設定
キーボードの上下移動キーで 5 Localisation option ....を選択してenter
ローカル言語の設定
I1 change local ....を選択してenter
日本語フォントの選択
キーボードの下移動キーで ja_jp.UTF-8 UTF-8 ....を選択してスヘースキーを押して*を設定して<ok>を選択してenter
規定の言語フォント
ja_jp.UTF-8 UTF-8 を選択後に<ok>を選択してenter
タイムゾーンの設定
I2 change time zoneを選択してenter
キーボードの下移動キーでTokyo を選択後に<ok>を選択してenter
キーボードの設定
キーボードの下移動キーで I3 change keyboard...を選択してenter
raspi-configの初期画面へ戻るので<finish>を選択してenter
OS(Raspberry pi OS)のアップデート1
apt updateを入力してenter
apt upgradeを入力してenter
OS(Raspberry pi OS)のアップデート2
アップデートするかの確認がくるので yをに有力してenter
アップデートが完了するまで待つ
リブート
rebootを入力してenter
rootパスワード変更
OSにログインする
passwd root をに有力してenter
新しいrootパスワードを2回入力して設定
OSのアップデートの再確認
raspbxのアップデートコマンド raspbx-upgradeを入力してenter
(apt updateとapt upgradeを行う事と同じ)全てが0個でアップデート完了を確認
raspbxの初期設定画面を起動
ブラウザを起動してURLに最初に調べたIPアドレスを入力してenter
初期設定用の画面が表示されるので以下を設定する
ユーザー名,パスワード,emailaddress,systemidを設定する設定後に setup system をクリックする
最初のログイン
FreePBX管理ページをクリックする
初期設定で設定したユーザーとパスワードを入力する
標準言語の設定
言語とタイムゾーンの設定
最新の状態表示
Dashborard画面で最新の状態が表示される
raspbxのアップデート
アドオン-updateでソフトウェアのアップデートを選択
ソフトウェア状態表示
更新確認をクリックする
アップグレード可能なものを表示にチェック
アップデート一覧の表示
アップグレードを設定
全てをアップグレードをクリックする
アップグレードソフトウェアの確認
確認をクリックしてアップグレードの実行
アップグレードの実行中
アップデートエラーの発生
raspbxのframeworkが先にアップデートされないとエラーが出る
raspbxのframeworkを単独でアップデートした後に残りを再度行う
アップデート完了
Dashboardで最新状態確認
エラーやアップデートがないことを確認してアップデート完了
SDカードの使用状況
cliで df コマンド を入力してSDカードの使用状況を確認する
16GバイトのSDカードを使用した場合は上記の通り
システムの状況
top コマンドでのシステムモニター
高度な設定1
設定ー高度な設定をクリックする
変更なしで標準設定を使用する
Asterisk SIP設定(全般)1
設定ーAsterisk SIP設定をクリックする
変更なしで標準設定を使用する
Asterisk SIP設定(全般)2
音声データのの圧縮方法を確認
変更なしで標準設定を使用する
Asterisk SIP設定(全般)3
映像データのの圧縮方法を確認
無効の場合は有効にする
Asterisk SIP設定(chain_pjsip)1
変更なしで標準設定を使用する
Asterisk SIP設定(chain_pjsip)2
transportsのupdを「はい」とし、tcp,tls,ws,wssは「いいえ」とする
Port to Listen on を 5060に変更する
利用するスマホのソフトに依存するが一般的には5060である
内線番号の設定1
アプリケーションー内線をクリックし一覧を表示する
SIP[chain_pjsip]内線で利用する内線を設定する
内線番号の設定2
SIP[chain_pjsip]内線に新規で追加する
secretはパスワードの事で自動生成されるが変更した方が使いやすい
内線番号の設定3
SIP[chain_pjsip]内線に新規で追加後の一覧
SIPクライアント(電話機)のアプリ
Windows10,MacOS,Android,iOS毎に電話とビデオ電話のアプリ
(帯域はUPD,使用ポートは5060とする事)OSのバージョンで利用できない場合もある
各OSのアプリストアではなくインターネットからダウンロードしてインストールするケースもある
Linphoneを利用したビデオ通話(スマホ側)
スマホからPCへ電話をビデオ通話を開始する
Linphoneを利用したビデオ通話(PC側)
スマホからの電話を取りビデオ通話を開始する
RasPBXにはアナウンス,通話録音,音声会議,FAXなどの様々な機能がありますので試してみると面白いと思います。但し、日本語の情報が少ないので少し面倒かもしれません
ラズベリーパイを利用する場合は同時利用は電話で50人,ビデオで10人程度が上限で、多く人で利用する場合はWindowsPCまたはApplePCでFreePBXを使用して下さい
本格的に運用する場合のハードウェアは24時間365日稼働に耐えるものにして下さい